葬儀は、故人様との最後のお別れをする大切な機会です。
しかし1度きりのため、体調不良や遠方にいて参列できないこともあると思います。
また最近は、ご家族のみで行う家族葬も増え、参列したくてもできないこともあるでしょう。
このように葬儀にやむを得ず欠席しなければならない場合や、参列したくてもできない場合に、後日ご自宅へ弔問に伺うことがあります。
今回は、葬儀後のご自宅弔問時のマナーについてお伝えします。服装や持参する香典額、お参りのやり方などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
自宅弔問前に知っておきたい3つのこと
葬儀後に、ご自宅へ弔問に伺いたいと考えている方は、まず以下の3点を押さえておきましょう。
1. 弔問の目的は、ご遺族へお悔やみの言葉を伝えること
弔問は、故人様への供養やご遺族へお悔やみの言葉を伝えるために行うものです。葬儀に参列できなかったから、必ず弔問に行かなければいけないというものではありません。
2. 葬儀の1週間後から四十九日までの間に伺う
弔問に伺うタイミングとしては、葬儀が終わってから1週間後〜四十九日までの間に伺うのがベストです。葬儀直後のご遺族様は、各種手続きなどで慌ただしく、葬儀の疲れも残っています。また四十九日を過ぎると故人様のご遺骨はお墓へ納骨してしまうことが多いです。そのため、ご遺族様が落ち着いたタイミングで、尚且つご遺骨があるうちに伺うのが望ましいです。
ただし、四十九日を過ぎてから訃報を知った場合は致し方ありません。その旨をお伝えして弔問可能かを尋ねてみましょう。
3. 必ず事前連絡をしてから伺う
葬儀後の弔問は、ご遺族の負担になることも考えられますので、必ず事前にご遺族のご意向を確認しましょう。その上で伺ってもよいということであれば日程を調整をします。もし「弔問は控えてほしい」といわれた場合は、ご遺族のお気持ちを最優先し弔問は控えましょう。
自宅弔問時の服装マナー
ご自宅へ弔問に伺う際の服装は、喪服ではなく平服にします。喪服は、近隣の人目についてしまうので避けるようにしましょう。ただし平服といっても普段着ではありません。
具体的には、以下のような服装が望ましいでしょう。
女性:ネイビーやグレー、黒など落ち着いた色のワンピースやアンサンブル
また、肌の露出は極力避けて、結婚指輪以外のアクセサリーは外しておきます。そしてバックや靴などの小物も光沢のない落ち着いたものを選び、髪型やメイクもナチュラルなものを心がけましょう。
弔問の際に、数珠は持っていく?
ご自宅に弔問する際の持ち物としては、故人様の宗教が仏教であれば数珠を持参します。なお、仏教以外の宗教の場合は数珠は不要です。
自宅弔問時に香典やお供物は持参する?
ご自宅へ弔問する際は、香典や供物などを持参するか迷われると思います。基本的には、香典は持参し、供物は持参する場合としない場合があります。
香典は、相互扶助の観点からご遺族への費用負担という意味合いもあるため用意しておきましょう。ただし受け取るか受け取らないかはご遺族の判断に任せます。
また、香典とお供物の両方を持参することもあります。自宅弔問時のお供物は、故人様へのお供物であると同時にご遺族への手土産という意味合いもありますので、ご自宅にお邪魔させていただくお礼も兼ねて持参することが多いです。ただしこちらも受け取るかはご遺族の判断にお任せします。
ちなみに葬儀の際に、参列できない代わりにお供物をお送りしていることもあると思います。その場合は、香典のみを持参することが多いようです。
持参する香典の相場は?
自宅弔問時に持参する香典の相場も、葬儀の際に持参する香典の相場と同じです。基本的に香典の相場は、故人様との関係性やご自身の年齢によっても変わります。
以下の表を参考にしてください。
【香典額の相場】
故人様との間柄 |
香典金額相場 |
|||
20代 | 30代 | 40代 | 50代〜 | |
父母・義父母 | 3万〜10万円 | 5万〜10万円 | 5万〜10万円 | 5万〜10万円 |
兄弟姉妹・義理の兄弟姉妹 | 3万〜5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
祖父母・義理の祖父母 | 1万円 | 1万〜3万円 | 3万〜5万円 | 3万〜5万円 |
叔父 叔母・伯父 伯母 | 1万円 | 1万〜3万円 | 3万円〜 | 3万円〜 |
友人・知人 | 5千円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
先生・近所の方 | 3千〜5千円 | 3千〜1万円 | 3千〜1万円 | 3千〜1万円 |
香典で気を付けるべきマナー
香典の表書きは、どの宗派にも対応できる「御香典」とするのが無難です。持参する際は弔事用の袱紗に入れて持ち歩き、お渡し時に袱紗から取り出し、ご遺族に対して正面となるよう反時計回りに回してお渡しします。この時、必ず両手でお渡しするようにしましょう。
また渡すタイミングは、線香をあげて落ち着いた頃合いがよいでしょう。
持参する供物の相場は?
弔問の際に持参する供物は3千円〜5千円が相場です。またよく選ばれている品物は、線香・お花・お菓子・果物などです。お花は四十九日前なら白い花、それ以降は淡い3色または5色がよいといわれています。またお菓子なら、日持ちのする焼き菓子などで個包装のものを選ぶとよいでしょう。
一方、仏教では殺生がタブーとされているため、肉や魚など殺生を連想させるものは向いていません。またお花でもバラなどの棘のある花は避けましょう。
もし故人様の好みを知っているのであれば、生前好きだったお菓子やお花を持参しても喜ばれます。
自宅でのお参りの作法
香典を連名でお包みする場合は、3名までなら表書きの下に名前を連ねることができます。もし会社などで連名でお包みする場合は、目上の人から右詰めで書くようにしましょう。また4名以上の連名の場合は、代表者の名前を表に書いて「他一同」とし、全員の住所・氏名・金額を記載した紙を中袋に入れるようにします。もし会社や学校などの組織として出す場合は「団体名+一同」のように記載してもよいでしょう。
お札の包み方
香典を包む際は、お札の向きに注意しましょう。すべてのお札の向きをそろえて、肖像画がある方を下に向けて中袋に入れるのがマナーです。これには、人物の顔を伏せることで弔意を示す意味があります。また、中袋は糊付けせずに外袋に入れましょう。
香典の渡し方のマナー
ご自宅に到着したら、まず玄関先で「〇〇(故人様の名前)の高校時代の友人の●●です」などご自身と故人様との関係性を明らかにしたあとに、「この度はご愁傷様です」とご挨拶をしましょう。
そして仏間では、以下の流れでお参りをします。
- 数珠を手に持ち、仏壇の前の座布団に正座をして一礼する
- マッチでローソクに火をつける
- ローソクの火に線香をかざして線香に火をつける
- 香炉に線香を立てる(宗派によっては寝かせる)
- おりんをならし合掌する
- 故人様に一礼する
- ご遺族に「ありがとうございました」といって一礼する
- ローソクの火を消す
一連の流れを終えたら、座布団から一歩下がり、ご遺族の方へ向いて香典や供物をお渡しします。あるいは「お供えさせてください」といって、祭壇の近くにお供えしてもよいでしょう。
その後は軽く思い出話などをし、長居はせずにお暇しましょう。
線香をあげるときの注意点
ご自宅を弔問して線香をあげる際は、以下のことに注意しましょう。
- 必ずご遺族に促されてから仏壇の前に座る
- 必ずローソクの火から線香に火を灯す
- ローソクの火を消すときは、手で仰ぐか専用の火消しを用いる(口で吹き消さない)
- 線香が燃え上がってしまっても口で吹き消さず手で仰いで消す
- 長居はしない(2~3分程度でお暇する)
線香の作法は宗派によって異なる
線香を何本立てるのか、あるいは寝かすのかといった作法は、宗派によっても異なります。そのため故人様の宗派を事前に知っておくと安心です。
たとえば天台宗や真言宗では三本の線香を用い、手前に一本奥に二本を逆三角形になるように立てます。また、浄土真宗では一本の線香を2~3本に折って、香炉に寝かせます。もし故人様の宗派がわからずお参りの作法に迷った場合は、一本を立てる作法でお参りをしましょう。
自宅弔問はマナーを守って失礼のないように
ここまで、葬儀に参列できなかった場合の、自宅弔問のマナーについてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。ご自宅への弔問は、ご遺族にお悔やみの気持ちを伝えるために行うもので必須ではありません。ご遺族には事前にご意向をお聞きした上で伺うのがマナーです。弔問には香典を持参し、ご自宅に上がる際には失礼のないよう、マナーを守ってお参りをしましょう。
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