こんにちは。近くて小さい家族葬です。
家族葬とは、家族や親族、親しい友人など、生前の故人と親しくしていた人達だけが参列する葬儀のこと。
一般葬に比べ、小さめの規模で執り行われるのが、家族葬の特徴です。
近年、大切な方のご葬儀に、この家族葬を選ばれる方が増えています。
それはなぜなのでしょうか。
今回は、家族葬が増加している理由について、家族葬のメリットとともに詳しくご説明します。
家族葬が増加している理由や背景とは
お葬式を家族葬という形で執り行うケースは、近年増加しています。
株式会社鎌倉新書による『お葬式に関する全国調査』では、行われた葬儀の種類について次のような変化が見られました。
- 2015年:家族葬31.3%、一般葬58.9%、一日葬3.9%、直葬・火葬式5.9%
- 2017年:家族葬37.9%、一般葬52.8% 、一日葬4.4%、直葬・火葬式4.9%
- 2020年:家族葬40.9%、一般葬48.9% 、一日葬5.2%、直葬・火葬式4.9%
- 2022年:家族葬55.7%、一般葬25.9% 、一日葬6.9%、直葬・火葬式11.4%
上記の数字からは、家族葬の割合がここ数年増加を続けていることがわかります。
特に2020年から2022年にかけての増加率は大きく、家族葬の割合が全体の5割を超え、一般葬の割合を上回りました。
また反対に、一般葬の割合が以前に比べ大幅に減少している点も注目のポイントです。
家族葬増加の背景
上記調査の数字をもとに、家族葬増加の背景について見ていきましょう。
近年の家族葬増加の背景には、次のような理由があると考えられます。
- 新型コロナウイルスの影響
- 価値観の変化
- 経済面での変化
それぞれについて、詳しく解説します。
新型コロナウイルス感染症の影響
2020年に世界中に蔓延した新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を大きく変えました。
ほとんどの方が、働き方や休日の過ごし方に影響を受けたことでしょう。
葬儀も、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたもののひとつ。
コロナ禍で多くの人が集まるのは難しいことから、葬儀の参列者の人数を減らそうと考える方は増え、また、参列者の人数を制限する式場も多くなりました。
そのため、2020年から2022年にかけて、遠い親戚や会社の関係者、知り合いなど多くの人が参列する一般葬を選ぶ方が大幅に減り、少人数の近親者だけで執り行う家族葬を選ぶ方が増えたのですね。
また、2020年から2022年にかけては直葬・火葬式の割合も増えています。
この背景にもコロナ禍の影響があると考えられます。
価値観の変化
近年、人々の価値観が変わってきていることも、家族葬の増加に関係しています。
ひと昔前までは、葬儀について「盛大な葬儀が好ましい」「多くの人に故人を見送ってもらいたい」と考えるのが一般的でした。
しかし、近年は故人・遺族ともに、「家族や親しい友人だけでゆっくり見送ってほしい・見送りたい」と考える方が増えています。
この背景には、経済的な理由はもちろん、人間関係の希薄化や高齢化の影響があると考えられます。
昔のように積極的な近所付き合いが少なくなった現代においては、そもそも葬儀に参列してもらいたい友人や知人が少なく、さらに高齢で参列が難しい人も多いため、自然と家族葬を望む人が増えているのです。
また、従来の葬儀に見られる伝統的なしきたりに捉われたくないという思いから、比較的自由な内容で執り行うことができる家族葬を選ぶ方もいます。
経済面での変化
株式会社鎌倉新書による『お葬式に関する全国調査』では、葬儀費用に次のような変化が認められました。
- 2013年:202.9万円
- 2015年:184.0万円
- 2017年:178.3万円
- 2020年:184.3万円
- 2022年:110.7万円
ここ10年ほどで、葬儀費用の平均は5割近く減り、2022年には過去最低額となっています。
この理由には、コロナ禍の影響以外にも、近年の経済的変化が関係していると考えられます。
日本で暮らす多くの人は、日本経済の長引く不況の影響を受けています。
給料はなかなか上がらず、税金の支払いは増える一方で年金は減り、老後の暮らしや介護に備えた費用の貯蓄も必要とされる中で、経済的余裕のある家庭は決して多くはないでしょう。
家族葬増加の理由には、このような経済的影響もあると予想されます。
なぜなら、大規模な葬儀には多額の費用がかかるためです。
一方、規模の小さい家族葬であれば、費用は比較的安く抑えることができます。
不況が続く中で、葬儀費用をなるべく抑えたいと思うのは当然のこと。
経済的理由から費用を抑えるため、家族葬を選ぶ方は増えています。
家族葬が選ばれているのはなぜ?メリットをご紹介
家族葬には、一般葬にはない複数のメリットがあります。
このメリットも、家族葬が選ばれている理由だと言えるでしょう。
具体的には、家族葬には次のようなメリットがあります。
- ゆっくり故人とお別れすることができる
- 費用を抑えられる
- 葬儀の内容に希望を反映させやすい
詳しく見ていきましょう。
ゆっくり故人とお別れすることができる
家族葬では、喪主や遺族から参列の依頼を受けた近親者だけが葬儀に参列します。
そのため、一般葬のように多くの人が参列することはなく、喪主や遺族が来客対応に追われることもありません。
喪主や遺族を含めた参列者全員が、アットホームな雰囲気の中、ゆっくりと故人とのお別れの時間を過ごせる点が家族葬の大きなメリットです。
費用を抑えられる
前章でも触れたように、家族葬は参列者が少なく規模が小さい傾向にある分、費用を抑えることができます。
ただし、参列者が少ないということは、香典も少ないということ。
家族葬では参列者からの香典を辞退することも多いですが、もし香典を葬儀費用に充てようと考えている場合には、注意が必要です。
葬儀の内容に希望を反映させやすい
家族葬では、葬儀の内容に遺族や個人の希望を反映させやすいのもメリットです。
気心の知れた近親者だけでの葬儀なので、しきたりに捉われず、柔軟な内容・演出の葬儀を執り行うことができます。
家族葬のメリットおよび特徴については、「家族葬とは?特徴や流れ、メリット・デメリットを詳しく解説!」でも詳しくご紹介しているのでご確認ください。
家族葬を行う際の注意点もチェック
家族葬を行う際には、そのメリットだけでなく注意点についても知っておかなければなりません。
特に注意したいのが、「訃報や葬儀の伝え方」について。
家族葬では、喪主や遺族に依頼された近親者だけが葬儀に参列します。
つまり、葬儀に参加したくてもできない人が出る可能性があるのです。
そこで気をつけたいのが、次の点です。
- 葬儀の参列を依頼するか辞退するか、相手に明確に伝える
- 参列を辞退する人には家族葬で行う旨を伝える
- 事後報告になる人には通知状を送る
親戚や友人に訃報や葬儀の連絡をする際には、葬儀の参列を依頼するのか辞退するのか、相手に明確に伝えることが大切です。
これは、参列を依頼していない人が誤って参列してしまうことを避けるためです。
参列を辞退する人には、失礼のない言い回しで、家族葬として家族だけで故人を見送りたい旨を伝えましょう。
また、葬儀を終えてから個人の訃報を伝える人には、通知状を送ります。
通知状には葬儀を終えた旨と葬儀にお呼びしなかったお詫びの言葉を添えましょう。
家族葬の伝え方については、「家族葬の案内の伝え方を解説!伝える内容やマナーとは」もあわせてご確認ください。
家族葬増加の理由は社会的背景にある!複数のメリットも
近年の家族葬増加の背景には、コロナ禍や価値観の変化、経済的な変化の影響があります。
大人数で集まることができないコロナ禍では、少人数で執り行う家族葬のニーズが増えました。
また、「盛大な葬儀よりも家族でゆっくり見送る葬儀」を希望する方が増えたことや葬儀にかかる費用を抑えたいと考える方が増えたことも、家族葬の増加を後押しする要因となっています。
家族葬には、現代の人々のニーズに合う複数のメリットがあり、今後もその数は増えていくと考えられます。
ただし家族葬の連絡の際には、トラブルを避けるため、相手への伝え方に気をつけるようにしましょう。
近くて小さい家族葬では、24時間365日ご葬儀の相談を受け付けています。
ご相談にあたって、事前のご用意は不要です。
担当者がご状況に合わせてやるべきことをお伝えしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。