遺影に相応しい写真選びのポイントと葬儀後の遺影の扱い方を解説します

お通夜や葬儀などで、故人を偲ぶために飾られる遺影写真は、葬儀の打ち合わせの際に遺族が用意し、葬儀社に渡します。葬儀後も仏壇に飾られるなど代々遺るものでもあるため、どのような写真を選ぶべきかで迷われるのではないでしょうか。

そこで今回は、画素数やデータ形式など具体的な条件や、遺影写真を選ぶ際に考慮にいれるべきポイント、後悔しない写真選びのコツなど、遺影写真の選び方についてお伝えします。葬儀後の遺影写真の扱い方についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

遺影とは

遺影とは、お通夜や葬儀などで祭壇に飾られている故人の肖像のことです。肖像であれば、写真、似顔絵、イラストなど何でもよいのですが、一般的には、写真が選ばれることが多いです。

遺影は、故人を偲ぶために飾られるものですが、それに加えて葬儀の場などで参列者が故人を思い出したり、故人の人柄をイメージしやすくしたりする役割も果たしています。

遺影はいつ準備する？

遺影は、ご逝去後、お通夜までの間に用意しなくてはならないため、意外と慌ただしい中で写真を探す作業が必要になることを念頭においておきましょう。

また最近は、終活の一環でご自身の遺影を生前に準備しておくケースも増えています。ただし遺影写真は亡くなる１〜５年以内のものが適切とされているため、早くから用意してしまうと、遺影として使えなくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。

遺影写真を用意する方法

遺影写真を用意する方法は、2通りあります。

ご逝去後、ご遺族が用意する場合

ご逝去後、ご遺族が用意する場合は、お手持ちの写真や、スマートフォン、デジタルカメラなどに収めてある画像のデータから、表情のよいものを選ぶことになります。そのような写真は、服装がカジュアルだったり、不要な背景などが含まれているスナップ写真であることがほとんどだと思いますが、葬儀社や写真館にお願いすれば、服装や背景は加工してもらえるのでそこまで気にしなくても大丈夫です。それよりも、故人らしい表情であるかなどを優先して選ぶようにしましょう。

遺影写真を、生前にご自身で用意する場合

ご自身で生前に遺影を用意しておく場合は、写真館や遺影撮影の専門業者に依頼して撮影するか、お気に入りの写真があればそれを加工してもらうという方法があります。新たに遺影用の写真を撮影する場合は、ヘアメイクやスタイリングをプロにお願いできることが多いため、クオリティの高い遺影写真になるというメリットがあります。

遺影写真の加工や撮影にかかる費用

写真の加工代にかかる費用は5,000円〜7,000円程度が相場です。加工した写真を遺影写真にするためには額装も必要ですが、額装代は5,000円〜1万円程度が目安となります。額縁は、木製や金属製などさまざまな種類があり、そのグレードによっても費用が変わることを念頭においておきましょう。また、葬儀社によっては遺影の加工や額装がセット料金に含まれていることもあるので、依頼前に確認しておくと安心です。

そして、生前に遺影を撮影しておく場合の費用相場は5,000円〜3万円程度と幅があります。撮影代に加えて、スタジオ利用料や衣装代、メイク代などがオプションで追加になることが一般的です。

遺影に適した写真の画素数とサイズ

遺影用の写真は引き延ばして使うため、最低限200万画素は必要とされています。また、サイズは、祭壇用と焼香台用の2種類用意する必要があり、祭壇用の大きいもので、四つ切りサイズ（305mm×254mm ）またはA4サイズ（297mm×210mm）、焼香台用の小さいものでL判サイズ（縦127mm×横89mm ）、小キャビネサイズ（縦165mm×横120mm）、2Lサイズ（縦178mm×横127mm ）のいずれかのサイズになります。

遺影写真を選ぶポイント

次に、遺影写真を選ぶ時のポイントを解説します。

亡くなる１〜５年以内の写真を選ぶ

遺影写真には、古い写真は適していません。１年以内の写真が望ましいですが、少なくとも亡くなる５年以内くらいまでの写真を用いるようにしましょう。それよりも古い写真だと、遺影の雰囲気と故人の雰囲気がかけ離れてしまい、参列者に違和感を感じさせてしまう可能性があります。

故人らしさが滲みでている写真を選ぶ

明るい性格の方なら笑顔の写真、威厳のある方ならキリッとした表情の写真というように、故人らしさが表れている表情の写真を選ぶと、参列いただいた方に故人の人柄が伝わりやすくなります。

ピントの合っている写真を選ぶ

いくら加工ができるとはいえ、故人にピントが合っていない写真は避けた方がよいでしょう。

顔周りに障害物がない写真を選ぶ

背景や服装は加工することができますが、顔周りの加工は不自然になってしまうこともあるため、なるべく顔周りに障害物がない写真を選びましょう。

故人が大きく写っている写真を選ぶ

遺影写真は、引き延ばして使うため、なるべく故人が大きめに写っている写真を選ぶようにしましょう。目安として、故人の顔が十円玉くらいの大きさで写っている写真であれば、祭壇用の遺影サイズにも耐えることができると言われています。

カメラ目線の写真を選ぶ

遺影写真を通して参列者や遺族が故人と目を合わせることができるため、遺影写真はカメラ目線の写真を選ぶとよいでしょう。ただし、故人らしさが伝わる表情であれば、必ずしもカメラ目線でなくても大丈夫です。

納得のいく遺影写真にするためのコツ

最後に、納得のいく遺影写真にするために普段からできることをお伝えします。

普段から写真を撮るよう心がける

まずは、普段から、ご自身の写真を撮るように心がけておくことです。家族やご友人と出かけたときなどは、自然な表情をしていることが多いのではないでしょうか。そのような写真には自分らしさが出やすくなるため、出かけた際には積極的に写真に写るようにしましょう。

撮った写真は家族と共有しておく

ただ撮るだけではなく、気に入った写真は家族と共有しておくとよいでしょう。思い出を共有することで、家族間のコミュニケーションにもつながり一石二鳥です。

葬儀後の遺影写真の扱い方

葬儀後、遺影写真は、ご自宅にて遺骨と一緒に後飾り祭壇に飾られます。四十九日法要のタイミングで後飾り祭壇は片付けることになりますが、その後もご自宅の仏間に飾ったり、次の法要まで保管しておくという方も多いと思います。一方、四十九日法要後は、処分するという方もいます。本来、遺影には宗教的な意味はないため、葬儀後の扱いに特に決まりはありません。状況に応じて、お好きな方法を選びましょう。

遺影を飾る場合の注意点

遺影をご自宅に飾っておく場合、飾る場所には注意が必要です。まずは、日焼けを避けるため直射日光の当たる場所には飾らない方がよいでしょう。また、家に仏間がある場合、仏間に飾る人も多いと思いますが、仏壇の中や上には飾らないようにしましょう。仏壇は、仏様がいる彼岸を表しているため、その中や上に物を置くことは失礼にあたるとされているためです。それ以外に場所の決まりはないため、もし仏間がない場合は、リビングや玄関など好きなところに飾って問題ありません。方角についてはあまり気にする必要はありませんが、南向きや東向きがよいとされています。

遺影を処分する場合の注意点

遺影は、四十九日法要を済ませて納骨を終えたタイミングで処分するという方もいると思います。その場合、一般ゴミとして捨てても問題はありませんが、写真は燃やすゴミ、ガラス部分は資源ゴミなどというように、各自治体のルールに従って出すようにしましょう。

また、故人が写っている写真なのでゴミとして捨てるのは抵抗があるという場合は、費用はかかりますが、神社やお寺でお焚き上げをしてもらうという方法もあります。お焚き上げは菩提寺に限らずどこに依頼してもよいので、きちんと供養してもらってスッキリしたいという方は、近隣のお寺などにお願いしてみてもよいでしょう。

遺影選びはポイントを押さえてスムーズに

実は、遺影には宗教上の意味あいはなく、宗教上、葬儀に必ずなくてはならない物というわけではありませんが、遺族や参列者が故人の存在を感じ、想いを馳せることができるものとして、葬儀では遺影を飾ることが一般的です。しかし、ご逝去後、すぐに写真データを探さなければならないなど、遺影選びは意外と大変です。そのため、スムーズな遺影選びができるよう、事前に知識を得ておくことが大切です。

遺影の選び方やその後の扱いについて迷ったときは、葬儀社に相談するのもおすすめです。

近くて小さい家族葬では、24時間365日無料の事前相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。

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