日本には、春や秋のお彼岸、夏のお盆などにお墓参りに行く習慣があります。お墓参りは、先祖を供養し、感謝の気持ちを伝えるために行うものですが、基本的なマナーを知らない人も意外と多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お墓参りのマナーをご紹介します。「お墓参りに適切な時期や時間帯とは?」「服装や持ち物で注意すべきことは?」など、これからお墓参りに行く方が知っておくべきマナーや注意点をお伝えしますので、ぜひ、参考にしてください。
目次
お墓参りとは
お墓参りとは、いつも遠くから見守っていてくれている故人様やご先祖様を供養し、感謝の気持ちを伝えるために行うものです。お墓の前で、故人様と心の対話をしたり、結婚や出産、入学など人生の節目に起こった出来事をご報告しにいく人もいるでしょう。
また、お墓参りは、家族の歴史を後世に繋いでいくという役割も担っています。
お墓参りはいつ行ってもよい
お墓参りには、いつ行かなければいけないという決まりはありません。基本的には、いきたいと思った時に自由に行くことができます。ただし、縁起を気にする人の中には、仏滅の日や、「二重苦」と読める29日を避ける方もいます。
お墓参りの時間帯は、午前中がベスト
お墓参りは、何かのついでに行ったり、後回しにしたりすることは、仏様に失礼だと考えられているため避けた方がよいでしょう。そのため、お墓参りに最もふさわしい時間帯は午前中となります。早いうちにお墓参りを済ませることで、その分時間に余裕ができたり、混雑を避けられるなどのメリットもあります。
お墓参りに最適な日はいつ?
お墓参りはいつ行っても問題ありませんが、お彼岸やお盆など、古くから日本にはお墓参りに適した日というものが設けられており、その時期に合わせて、毎年お墓参りをしているという人も多いと思います。
お彼岸
お彼岸は、毎年春と秋の2回あります。春分の日と秋分の日の前後3日間を含め、1週間程の期間がお彼岸とされています。
春分の日は、毎年3月20〜21日頃、秋分の日は毎年9月22日〜24日頃で、年によって変わりますが、春のお彼岸であれば春分の日、秋のお彼岸であれば秋分の日が中日となるように日程を考えれば問題ありません。
たとえば2025年は、春分の日が3月20日、秋分の日が9月23日なので、お彼岸は以下の日程となります。
・春のお彼岸
彼岸入り:3月17日
中日(春分の日):3月20日
彼岸明け:3月23日
・秋のお彼岸
彼岸入り:9月20日
中日(秋分の日):9月23日
彼岸明け:9月26日
お盆
お盆は、ご先祖様の霊が帰ってくる日とされています。そのため、日本ではお盆の初日にお墓参りをしてご先祖様を迎えにいく人もいます。初日に関わらず、お盆期間中にお墓参りに行くという人はたくさんいるでしょう。
お盆の時期は、一般的には8月13日〜16日となりますが、東京をはじめとする一部地域では1ヶ月早い7月13日〜16日のところもあります。また東京の多摩地区は7月31日〜8月2日、沖縄県では8月中旬~9月上旬をお盆とするなど、お盆の時期には地域差があります。
年末年始
年末に今年一年のご報告をしたり、年始に新年のご挨拶をしたりするために、年末年始にお墓参りをするという人も少なくありません。年末年始は帰省の時期でもあるため、親族一同が揃ってお墓参りをするのにも適した時期です。
命日
故人の命日や月命日に合わせて、毎年あるいは毎月お墓参りをするという人もいます。命日は故人の亡くなった日のことで、月命日は故人が亡くなった日と同じ月の日のことを言います。たとえば3月4日が命日であれば、4月4日、5月4日、6月4日といったように毎月4日が月命日となります。
お墓参りでは何をする?
お墓参りではお墓の掃除をし、お供え物を備えてお参りをします。ここでは、お墓参りの流れをご紹介します。
1.お墓の掃除をする
お墓に着いたら、まずやることは掃除です。周辺の掃き掃除からはじまり、墓石の上から、バケツに汲んでおいた水を柄杓でかけて、埃や砂を落とした後に、汚れている部分を布やスポンジ、柔らかめのタワシなどで拭き掃除をします。この時、硬いたわしで擦ってしまうと墓石に傷がついてしまう恐れがあるため、必ず柔らかい素材のものを用いましょう。墓石の文字の部分にこびりついた汚れなどは、歯ブラシで軽く擦ると落としやすいです。
2.お供え物をする
お墓がきれいになったらお供え物をします。持参したお花を花立にさし、お菓子や果物などの供物は、墓前のあいたスペースに、半紙などを引いた上にお供えします。
3.線香を供えてお参りをする
線香に火をつけて、香炉皿に乗せます。線香は、束で売られていることが多いですが、必ずまとめてある紙を外してからお供えするようにしましょう。その後、合掌し一礼してからお参りをします。ご家族など複数でのお参りの場合は、全員で合掌、一礼後に、再度お一人ずつ合掌しお参りをしましょう。
4.後片付けをする
最後は、後片付けをしてから帰ります。基本的には、お花はそのままにして、それ以外のお供物は持ち帰りましょう。お墓は野外にあるため、特に果物などのお供物はカラスに荒らされてしまう恐れがあります。絶対に、置きっぱなしにしないよう気をつけましょう。
また、お花は時間が経つと枯れてしまうため、もし遠方で頻繁にお墓に来られないという場合は、お花も持ち帰った方が安心です。
お墓参りの持ち物
お墓参りの際には、以下のものを持っていくと安心です。
掃除道具(ほうき・歯ブラシ・スポンジや布・ごみ袋・バケツ・柄杓)
※バケツ・柄杓は現地で借りられることもあります。
供物(お花・必要に応じてお菓子など・線香・ロウソク・水)
※線香は現地で販売していることもあります
※水は現地でも調達できますが、掃除用の水と供物の水は分けるようにしましょう
その他(線香に火をつけるためのマッチやライター)
お墓参りのお供物の選び方
お墓参りには、花立にさす花束1対とお線香、故人様が好きだった食べ物や飲み物などを選んで持参するとよいでしょう。ちなみに、仏教では、五供(ごく)といって「香、花、浄水、灯燭(とうしょく)、飲食(おんじき)」の5つが、仏様へのお供えの基本となっています。
香・・お線香
花・・花束1対
灯燭・・ロウソク
浄水・・ペットボトルや水筒の水
飲食・・故人の好物など
お墓参りでは灯燭を忘れがちです。昔はお墓の前に灯籠があり、それが灯燭の代わりとなっていましたが、現代ではロウソクを持参し燭台に立てて火を灯すことが一般的です。
供物として避けられている食べ物
飲食(おんじき)については、故人様の好きなもので構いませんが、一部避けられているものもありますので、持参する際には気をつけましょう。
・仏教では殺生がタブーとされているため、肉・魚などの動物性のものは避ける
・ニンニク・ニラ・ネギ・らっきょう・山椒・生姜など匂いの強いものは避ける
お墓参りで気を付けるマナーとは
最後に、お墓参りで気をつけたいマナーをご紹介します。
服装は華美にならないよう気を付ける
お墓参りの服装に特に決まりはなく、普段着でも構わないとされています。もちろん喪服を着る必要もありません。しかし、先祖への感謝の気持ちを込めたお参りの場ということを踏まえて、露出の高い服や派手な格好は避けるようにしましょう。また仏教では殺生をタブーとしているため、毛皮やファーなどもなるべく避けた方がよいでしょう。
時間帯は午前中または午後の明るいうちに
お墓参りに行く時間帯は、午前中か 午後でも明るいうちに行くのがマナーです。もちろん、開門閉門の時間が決まっている墓地では、その範囲内にいきましょう。暗くなってからのお墓参りは、近所の方へ不安感を与えてしまったり、足元が見えず危ないなどの理由から、なるべく避けた方がよいでしょう。
住職や管理人への挨拶も忘れずに
お墓参りの際は、なるべく、住職や管理人へまずご挨拶をしてからお参りをするようにしましょう。
お供物は置きっぱなしにしない
お参りの際にお供えしたお供物は、カラスなどが墓地を荒らす原因となってしまうため、お参りが終わったら必ず片付けて持ち帰りましょう。
ゴミの扱いに気をつける
ゴミは、墓地にゴミ捨て場がある場合は、所定の場所に捨て、ない場合は家まで持ち帰りましょう。
隣近所のお墓にも配慮を忘れずに
特にお盆やお彼岸などお墓が混み合う時期は、お互いに譲り合いながらお参りをしましょう。また、もし隣のお墓にゴミなどがあれば、拾っておくなど、近いお墓同士仲良くされることをおすすめします。
お墓参りに行く時期は自由。時間帯や服装などマナーを守ったお参りを
お墓参りは、お彼岸やお盆など多くの方が習慣としている時期以外にも、人生の節目に先祖へのご報告を兼ねてお参りをするなど、基本的にはいつでも自由に行くことができます。ただし、行く時間帯は午前中がよいとされており、華美な服装は避け、マナーを守ってお参りをすることが大切です。
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